賃貸住宅の住み替えは、新しい住まいを探して引越しするだけですが、マイホームの住み替えは簡単ではありません。
現在居住中のマイホームを売却する必要があるため、「購入・売却のスケジュール調整」が極めて重要となります。
今回は、購入・売却の順序という観点から住み替えについて考えてみましょう。
住み替えのスタートは「不動産査定」から
マイホームの住み替えを考える際、新居の購入を先行するか、現住居の売却を先行するかで、悩む方は少なくありません。実際に「購入先行」か「売却先行」かの選択は非常に重要で、この点を間違えてしまうと、住み替えに失敗してしまうかもしれません。
この「購入先行」か「売却先行」かという問題は、「売却資金が新居の購入資金に必須なのか?」という質問に言い換えることもできます。一般的には、資金的な問題もあって、売却先行というケースが多く、その場合に重要となるのが「不動産売却査定」です。
「不動産査定」とは、所有する土地や物件の売却相場価格を不動産会社が算出するものです。不動産を売却するときには、まず不動産会社に依頼して物件がいくらで売れるかを査定してもらうことが一般的で、主に取引事例比較法によって算出された価格が提示されます。
査定価格はあくまで目安であり、その価格で売れる保証があるわけではありません。あくまでも「売り出し価格」を決定するための参考資料として、活用することが大切です。不動産会社によって査定価格が異なることもありますので、複数の不動産会社に査定を依頼し、納得できる根拠を提示してくれた不動産会社に相談していきましょう。
売却金額で住宅ローンを完済できるかを要確認
不動産査定が終わって、「〇〇万円程度で売れそうだ」という売却相場金額を把握したら、次は、住宅ローンの残債を確認していきましょう。住宅ローンがまだ残っている場合は、「売却金額で住宅ローンを完済できるか」が最大のポイントとなります。完済後、さらに新居の購入資金に充てる余力があるかを確認することも重要です。
逆に、住宅ローンの残債が大きく、売却資金だけでは不足してしまう場合には、手持ち資金で補填しなければなりません。新しく住宅ローンを組む場合には、不足分を上乗せして借入れができる「住み替えローン」も候補となりますが、銀行の審査はそれなりに厳しくなるため、気軽に利用できるものではありません。現金で不足分を用意することが基本となります。
「購入先行」か、「売却先行」か
次のステップでは、新居をどのような資金計画で購入するかを検討することになります。この段階で「購入先行」か「売却先行」かが決まってくることになります。
住宅ローン完済済みで、売却資金に関係なく新居を購入できるケース
この場合は、最も自由度の高い住み替えになります。売却を先行させる必要がないため、現住居に住みながら、ゆっくり新居探しを行うことができます。結果として「購入先行」となることが多いと言えます。
住宅ローン完済済みで、売却資金を新居購入に充当するケース
この場合、新居購入にあたって、住宅ローンを借り入れできる可能性が高いことから、「購入先行」が一般的です。ただし、頭金となる現金が不足しているなど、資金面で不安がある場合は、「売却先行」ということもあり得ます。ケースバイケースといったところでしょうか。
住宅ローンが残っているが、新しい住宅ローンを借入れできるケース
現住居の住宅ローンを返済中の場合は、その状態で金融機関が新しく住宅ローンを貸し出ししてくれるかが、鍵となります。
一時的に現住居と新居の住宅ローンを支払うことになるため、住宅ローン審査がかなり厳しくなるため、事前に不動産仲介会社もしくは金融機関に相談することが必要です。
このケースでも、「購入先行」が可能となりますが、現実的には売却活動も同時に進めるようなスケジュールになることが多いと思われます。
住宅ローンが残っていて、売却資金で完済しなければならないケース
実際の取引においては、このケースが最も多いと考えられます。現住居の売却資金で住宅ローンを完済するため、住み替えには「売却先行」が必須となります。
新居の購入スケジュールによっては、一時的な仮住まいが必要となるため、引越し費用を含め事前に準備しておきましょう。
「購入先行型」と「売却先行型」のどちらが有利?
上記のように、住み替えがスムーズに進むかどうかは「買い替え時の資金繰り」がポイントになります。
資金的な余力があれば問題ありませんが、多くの場合、「現住居の売却額がいくらになるか」「新たに住宅ローンを組むことができるか」がポイントになると考えられます。
新しく購入する物件をじっくりと選びたい場合や、現在の住まいが比較的良い条件で売却できそうなケースでは、「購入先行型」を採用する方が満足度の高い住み替えになるでしょう。しかしながら、現在の住まいの売却資金を、購入資金に充当するケースでは、「売却先行型」を選択せざるを得ません。売却を先行させて、新居の購入資金を確定した上で、新しい住まいを探す方が安全だからです。
最終的には、住み替えの事情、資金余力、売却物件の現状などを総合的に勘案して決めることになりますが、不動産市況にも大きな影響を受けることになるため、実務を担当する不動産仲介会社に早めに相談することが重要です。
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