不動産売却の最終段階「決済日」の手続きと当日の流れについて

不動産売却コラム

不動産売却が順調に進展すると、最終的に買主側が残代金を支払い、売主側が鍵の引き渡しを行うことになります。一般の方々にとっては、普段経験しない手続きとなりますが、事前に内容を把握しておけば不動産売却の不安が少し解消されるかもしれません。

今回は不動産売却の最終段階となる「決済日」の手続き内容と当日の流れを見ていきましょう。

不動産売却の決済日とは

不動産売却の決済日とは、売主と買主が契約を完了し、物件の所有権が正式に移転する日を指します。この日に行われる主な手続きは以下の通りです。

  • 残代金の支払い:買主が売主に対して、契約で定められた残りの代金を支払います。
  • 所有権移転登記:物件の所有権が売主から買主に移転することを法的に記録します。
  • 鍵の引き渡し:売主が物件の鍵を買主に引き渡します。
  • 諸費用の精算:固定資産税や管理費など、物件に関連する費用の精算を行います。

決済日をもって、買主は正式に物件の所有者となり、売主は物件の所有権を完全に手放すことになります。

決済日に必要なものと手続きの流れ

不動産取引の際、買い手側は住宅ローンを利用することが一般的ですので、買主側が指定する金融機関での手続きが発生することになります。そのため、従来は金融機関で打ち合わせスペースを借り、売主・買主双方の当事者、不動産仲介会社の担当者、司法書士、金融機関の担当者が同席していました。

しかしながら、コロナ禍以降、銀行側が決済手続きのためのスペースを貸してくれないことも多くなっているため、不動産会社に集まって各種書類を整えた後に、銀行へ出向いて手続きをするという流れも増えているようです。

決済手続きの所用時間は1~2時間程度ですが、登記手続きも当日に行う必要があるため、決済手続き自体は、午前中に行うのが一般的です。また、住宅ローンの融資実行が絡んでくるため、決済日は金融機関が営業している「平日」になります。

決済日に売主が持参するもの

不動産取引の決済日に、売主側が持参するものは下記の通りです。取引の内容によって不要なものも含まれていますので、実際の取引では不動産仲介会社としっかりと打ち合わせを行いましょう。

  • 実印(名義人全員)
  • 印鑑証明書(発行後3か月以内のもの)
  • 本人確認書類(個人は運転免許証やパスポートなど顔写真付きのもの、法人は登記事項証明書・印鑑証明書など)
  • 不動産の登記済証(権利証)もしくは登記識別情報通知 ※1
  • 住民票または戸籍の附票、戸籍謄本など ※2
  • 固定資産税評価証明書
  • 通帳・通帳印
  • 鍵一式 ※3
  • 引き継ぎ資料一式 ※4
  • 仲介手数料、登記費用

※1:不動産購入時に受け取った書類です。万が一紛失した場合には、事前に司法書士に申し出て「証明書」を発行(有料:5万円程度)してもらう必要があります。登記済証や登記識別情報通知は再発行されない書類ですので、大切に保管しましょう。
※2:登記簿謄本の住所・氏名と突合するための書類です。必要書類は状況により異なります。
※3:倉庫や駐車場等の鍵、宅配ボックスや郵便受けなどの暗証番号を含みます。
※4:購入時のパンフレット、図面集、管理規約等、設備の取り扱い説明書一式、検査済証、境界確認書、測量図など

決済日の流れ

1.当事者の本人確認

最初に、司法書士が売主・買主の方の本人確認を行います。決済日は不動産の所有権が移転する非常に重要な日で、大きな金額が移動することになるため、なりすましや不正取引を防止するための本人確認は非常に重要です。決済日に名義人本人がどうしても出席できない場合には、事前に司法書士と面談し本人確認と必要書類を準備することになります。当日は配偶者など代理人に委任して、残代金の受け取りや鍵の引き渡しを行いますが、事前にしっかりとした打ち合わせが必要となります。

2.登記申請書類の記入・捺印

本人確認に問題がなければ、印鑑証明書や登記済証(権利証)などに不備がないかを確認し、登記手続きに必要な「委任状」に記入・捺印を行います。委任状には、当事者本人が直筆で記入することが必要です。

3.残代金の支払い

買主側が住宅ローンを利用する場合は、まず住宅ローンの融資金が買主側の銀行口座に入金され、ただちに売主側の銀行口座へ振り込まれることになります。 売主側に住宅ローンの残債がある場合は、この段階で一括完済され、固定資産税・都市計画税の日割り分など必要な経費も同時に支払われます。売主側口座への着金が確認されたら、受領した金額の領収書を売主側から買主側に発行します。

4.鍵と書類一式の引き渡し

残代金の入金が確認出来たら、物件の鍵と引き渡し書類一式を買主側に引き渡します。倉庫や駐車場などの個別鍵やマンション管理規約、総会議事録などもすべて引き継ぎましょう。

5.登記費用と仲介手数料の支払い

決済完了時には、司法書士に登記費用を支払います。内訳は登録免許税と報酬額、その他必要な経費となりますが、事前に見積もりが届きますので確認しておきましょう。最後に、不動産会社に仲介手数料を支払い「決済日」の手続きは完了となります。仲介手数料については、媒介契約に基づき売買契約締結時に半金、決済時に残り半金を支払うことが一般的です。

6.司法書士は法務局へ直行

残代金の支払いが完了したことを確認したら、司法書士は直ちに管轄の法務局へ向かい登記手続きを行います。売主が住宅ローンを完済した場合には、抵当権の抹消手続きを行い、その後に、買主側への所有権移転登記、買主が利用する住宅ローンの抵当権設定を行います。このような登記申請の手続きにかかる時間を考慮し、決済は午前中から行うことが一般的になっています。

決済日は、 契約が完了し物件の所有権が正式に移転する日です。 当日中に登記申請を行う必要があるため、トラブルは極力避ける必要があります。決済場所、持参物、手続きの流れ、費用をしっかり確認し、きちんと準備することが大切です。

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