不動産売却前に必ず名義確認を!不動産売却時の名義変更について

不動産売却コラム

不動産売却の際、決済が終了すると、ただちに名義変更を行わなければなりません。名義変更の手続きに手間取ると、買主に多大な迷惑がかかり、損害賠償請求の可能性も考えられますので注意が必要です。

今回は、不動産売却時の名義変更手続きについて、基本的な注意点も含め詳しく見ていきたいと思います。

不動産売却前には名義の確認が必要

不動産の売買契約が成立し、金銭的なやり取りがすべて終了したら、売主から買主への名義変更手続きとなる「所有権移転登記」を行う必要があります。不動産売買が完了し、不動産の実質的な所有者が変わったとしても、法務局で所有権移転登記を行うまで登記名義は元の持ち主のままになっていることを覚えておきましょう。

相続によって親の住んでいた実家を取得した場合も、名義変更手続き(相続登記)を行う必要があるのですが、従来は罰則がなかったため、そのまま放置されている例が少なくありません。実質的には本人が所有していたとしても、親の名義になっている不動産をそのまま売却することはできないので、十分ご注意ください。

※相続登記については、2024年4月1日から義務化され、「相続で不動産取得を知った日から3年以内」に登記手続きを行う必要があります。正当な理由がなく登記・名義変更手続きをしないと10万円以下の過料の対象となりますので、所有不動産の名義を早めに確認しておきましょう。

名義変更手続きの費用について

不動産の名義変更をする場合、「登録免許税」という税金がかかります。土地売買に関する登録免許税の軽減措置については、2026年3月31日まで延長されています。

●売買の所有権移転登記(土地)
本則:固定資産税評価額の2.0%→軽減措置:1.5 %

●売買の所有権移転登記(建物)
本則:固定資産税評価額の2.0%→軽減措置:0.3%

所有権移転の登記の軽減措置を受けるための要件

  • 1984(昭和59)年4月1日から2024(令和6)年3月31日の間に新築または取得したもの(建築後使用されたことがある住宅用家屋のうち政令で定めるものを含む)
  • 個人の住宅の用に供される
  • 床面積50㎡以上
  • 新築または取得後1年以内に登記するもの
  • 中古住宅の場合、1982(昭和57)年1月1日以降に建築されたもの、または一定の耐震基準を満たしたもの

不動産売却における登録免許税などの支払いについては、通常は買主の負担となります。自分で所有権移転登記を行い、実費だけで名義変更をすることもできますが、失敗すると大きなトラブルとなりますので、司法書士に名義変更手続きを依頼することが一般的です。その場合は、別途5~10万円程度の報酬が必要となります。

不動産売却時の名義変更に必要な書類

不動産売却に合わせて名義変更手続きをする場合、以下の書類が必要になります。

  • 登記識別情報(または登記済権利証)

登記識別情報とは,登記済証に代えて発行されるアラビア数字その他の符号の組合せからなる12桁の符号で、登記名義人となった申請人のみに通知されるものです。不動産の名義変更には、登記識別情報または登記済権利証が必要となります。

  • 固定資産税評価証明書

不動産の資産価値を証明するための書類です。役所で取得する必要があるため事前に用意しておきましょう。

  • 印鑑証明書(手続き日の3ヶ月以内に発行したもの)

名義変更申請書には実印が必要となります。当然印鑑証明書も必須となりますので準備しておきましょう。発行してから時間が経過した印鑑証明書は、有効なものと認めてもらえないので注意が必要です。

  • 免許証をはじめとした本人確認書類

売主の本人確認を行うための書類です。物件内覧や売買契約時に顔合わせは済んでいるとは思いますが、なりすましなどのリスクを防ぐためにも本人書類は必須になります。

  • 住民票

登記権利者の住所と現住所が違う場合もありますので、本人確認の観点からも住民票が必要です。

  • 抵当権の抹消に関する書類

不動産の売却代金で住宅ローンを完済する場合、抵当権の抹消登記も同時に行います。抵当権の抹消には、金融機関の弁済証書などの書類をはじめ、抵当権抹消登記用の申請書が必要です。

  • 名義変更の委任状

司法書士に依頼して名義変更手続きを行う場合は、委任状が必要となります。

不動産を売却する際には、所有者本人の名義になっていることが必須条件となりますので、現状が誰の名義になっているか一度整理しておきましょう。

特に、先祖から複数代にわたって受け継いだ相続不動産の場合、途中で名義変更されていなければ、相続をさかのぼって各相続人の同意を得るといった手続きが必要となり、解決までには相当の時間と費用が必要となります。

相続登記の義務化も間近に迫っていますので、相続不動産をお持ちの方は、信頼できる不動産会社に早めに相談されることをお勧めいたします。

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