マイホームの売却を不動産会社に依頼すると、通常は「専任媒介契約」を勧められることが多いと思います。
媒介契約には「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類がありますが、「専任媒介契約」を選択するメリットはあるのでしょうか?
今回は、 デメリットも踏まえて、「専任媒介契約」について、詳しく確認していきましょう。
「専任媒介契約」の特徴とは
「専任媒介契約」は、売主と1社の不動産会社が専属的な関係を結ぶ契約形態で、この契約を結ぶことで、不動産会社は当該物件を独占的に販売することができるようになります。
不動産会社には、売却活動の進捗状況について、定期的な報告が義務付けられているため、売主側は売却活動に関する情報を一元管理することができ、安心して任せることができます。
専任媒介契約の魅力は、担当不動産会社が責任を持って積極的な販売活動に取り組み、売却成功への道筋を明確に描ける点であり、この点が、複数の不動産会社に売却活動を依頼することができる「一般媒介契約」との最大の違いになります。
仲介手数料については、媒介契約の種類によって違いはありません。「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」ともに、「成約価格×3%+60,000円(消費税別)」が仲介手数料法定上限額となります。
売却を検討する際、どの媒介契約を選ぶかは成功への重要な鍵となります。専任媒介契約は、信頼できる不動産会社と密接に連携しながら、効果的に売却を進めたい方に最適な契約形態です。次の各特徴を理解し、自分の状況や目的に合った最善の選択をしましょう。
販売活動の独占委任
売主は1社の不動産会社にのみ販売活動を任せます。これにより、担当不動産会社は販売戦略や広告活動に集中し、迅速で効果的な売却を目指します。競合がないため、物件の魅力を最大限に引き出すプロモーションが期待できます。
自己発見取引が可能
専任媒介契約では、売主自身が買主を見つけた場合、不動産会社を介さずに直接売買契約を結ぶことができます。知人や親族への売却も柔軟に対応でき、仲介手数料を抑えることが可能です。※専属専任媒介契約は自己発見取引が不可となります。
定期的な業務報告
媒介契約締結後、不動産会社は2週間に1回以上の頻度で売却活動の進捗状況を売主に報告する義務があります。売主は販売状況や市場の動向を常に把握でき、今後の方針についても明確に確認できます。
契約期間の制限
専任媒介契約の契約期間は最長3カ月と法律で定められています。期間終了後は契約の更新や他の媒介契約への変更も可能なため、柔軟な対応が可能です。売主は状況に応じて最適な契約形態を選択できます。
レインズ(不動産流通標準情報システム)への登録義務
専任媒介契約では、契約締結から7日以内にレインズへの物件情報登録が義務付けられています。これにより、全国の不動産会社が物件情報を共有でき、多様な買主へのアプローチが実現します。

「専任媒介契約」のメリット
不動産の売却をスムーズかつ効率的に進めるためには、信頼できるパートナー選びが重要です。
専任媒介契約は、売主が1社の不動産会社と独占的な関係を築く内容になっていることから、不動産会社側にとっても販売活動に集中しやすい契約形態と言えます。
物件の魅力を最大限に引き出す戦略や広告展開に力を注ぎやすい環境が整うので、結果としてスピーディーな売却が期待できるでしょう。
販売活動への集中
不動産会社が独占的に販売活動を行うため、広告や販促活動に集中でき、スムーズな売却が期待できます。
手厚いサポートと高い責任感
1社に販売活動を任せることで、不動産会社の責任感が強まり、売却成功に向けた積極的な対応が期待できます。
定期的な進捗報告で安心感
2週間に1回以上の販売活動報告が義務付けられているため、売却状況を把握しやすくなります。また、これにより不動産会社の緊張感も高まり、結果として早期売却に繋がることが期待できます。
「専任媒介契約」のデメリット
専任媒介契約は、信頼できる不動産会社と連携して効率的に売却を進めるための有力な手段で、早期売却の期待も高まりますが、依頼する不動産会社を間違えると、下記のようなデメリットも考えられます。
依頼先の選定ミスによるリスク
専任媒介契約では1社の不動産会社に全てを任せるため、依頼先の選定を誤ると販売活動が滞る可能性があります。販売戦略の不備や担当者の対応の悪さが売却の遅れや失敗につながることもあるため、慎重な業者選びが重要です。
販売戦略の幅が狭まる可能性
一般媒介契約に比べて複数の販売経路を活用できないため、柔軟な販売戦略の実行が難しくなります。市場の動きや買主のニーズに迅速に対応する柔軟性が損なわれることがあります。特に競争の激しいエリアや特殊な物件では、販売戦略の幅が狭まり、売却のチャンスを逃すリスクがあります。
売却期間の長期化リスク
担当不動産会社の営業力やネットワークが不十分であれば、物件の売却期間が長引く可能性があります。担当者の対応力や積極性に依存するため、事前に販売実績や営業力を確認することが大切です。
価格交渉力の制限
他社との競争がないため、買主との価格交渉で不利になる可能性があります。不動産会社が価格交渉を強気に進められず、結果として売却価格が希望よりも低くなることがあります。
専任媒介契約が適した選択肢となる場合
専任媒介契約では、不動産会社が独占的に販売活動を行うことができるため、戦略的な広告活動が期待できます。デザイン性の高い住宅、独自性の高い物件など、一般的な広告では魅力を伝えにくい物件についても、専任媒介契約が有効だと考えられます。
また、特定エリアや市場に強みを持つ不動産会社の専門性を活かしたい場合にも適しています。地域に精通した会社と契約することで、より専門的な販売戦略が期待でき、ターゲット層への的確なアプローチによる早期売却が期待できます。
さらに、定期的な進捗報告が義務付けられているため、売却状況や市場の動向を常に確認しながら、安心して売却活動を進めることができます。売却の進捗をしっかり把握したい方にも専任媒介契約はおすすめです。
専任媒介契約は、不動産売却を効率的に進めたい方にとって非常に有効な手段ですが、成功の鍵は信頼できる不動産会社選びにかかっています。契約を結ぶ前に、各社の販売実績や担当者の対応力、販売戦略を十分に比較検討することが重要です。また、自身の売却目的や希望する売却期間、市場の動向なども考慮して、最適な契約形態を選択しましょう。
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